作成 2024年8月5日
MacでRコマンダーを使用しようとした際に,Rコマンダーの読み込み(library(Rcmdr))後にRが終了してしまう不具合への対処方法を紹介します。また,EZRはRコマンダーを介して使用するため,MacでEZR利用ができなくなって困っている場合も以下の方法で解決する可能性があります。確認した環境はMacBook Air (M1, 2020),MacOS Sonoma 14.6です。なお,ここで紹介する作業を行う場合はすべて自己責任で行ってください。
目次
- 症状
- Rの言語設定を英語に変更する
- Rのバージョンを下げる
- XQuartzのバージョンを下げる
- その他のTIPs
確認した元環境では,Rコマンダー及びEZRが利用できなくなっていましたが,2-5のいずれか,あるいは複数を実行することでRコマンダー及びEZRを利用できるようになりました。
1. 症状
R, XQuartz, Rcmdr, RcmdrPlugin.EZR等(2024年7月末時点で各最新バージョン)をインストール済のMacで,Rを起動した際に表示されるRコンソールで,Rコマンダーを起動するためのコマンド「library(Rcmdr)」を実行すると,Rが落ちてしまう。
2. Rの言語設定を英語に変更する
Rを日本語に設定している場合,Rを起動した際に表示されるRコンソールで以下のコマンドを実行して言語設定を英語に変更することで本不具合が解消する可能性があります。ただし,Rコマンダー(及びEZR)のメニューはすべて英語になります。
system("defaults write org.R-project.R force.LANG en_US.UTF-8")
コマンド実行後,Rを再起動して,再度library(Rcmdr)を試してください。Rコマンダーが起動できた場合,Rコマンダーのプラグインのロードから「EZR」を選択することで,EZRも利用できます。
日本語環境に戻したい場合は,以下のコマンドをRコンソールで実行してください。
system("defaults write org.R-project.R force.LANG ja_JP.UTF-8")
Rの現在の設定言語はRコンソールで以下のコマンドを実行することで確認できます。「ja_JP」系の一覧が出るようであれば日本語環境,「en_US」などと出るようであれば英語環境です。
system("locale")
3. Rのバージョンを下げる
この不具合は,Rの4.3系や4.4系での発生が報告されているため,4.2系にバージョンを下げます。(ただし,環境によっては4.3や4.4でも発生していないこともあり,どのバージョンがまずいのか,うまくいくのかはよくわかりません。)
現在のRをアンインストールし,旧バージョンをダウンロードしてインストールしてください。Mac(M1)用のRの旧バージョンは,バージョン名のダウンロードURLから入手できます。例えば「4.2.3」なら以下のURLです。それ以外のバージョンを希望する場合は適宜URLのバージョン表記を修正してください。
旧バージョンのRを再インストールしても本不具合が解消しない場合,以下の「5.その他のTIPs」で補足するように,Rのアンインストール時に設定ファイル・フォルダを削除するとうまくいく場合があります。
4. XQuartzのバージョンを下げる
この不具合は,XQuartz 2.8.1-2.8.5での発生が報告されているため,「2.8.0」などにバージョンを下げます。現在のXQuartzをアンインストールし,旧バージョンをダウンロードしてインストールしてください。XQuartzの旧バージョンは以下のアーカイブページからダウンロードできます。
5. その他のTIPs
1) クリーンインストール
3の作業のRのアンインストール時に,設定ファイルやフォルダも削除することで,本不具合が解消する可能性があります。ただし,ファイルの削除は自己責任で行ってください。事前にバックアップを取ることを推奨します。また,対象のファイルやフォルダは隠しファイルになっているので,先にFinder上で「cmmand + shift + .」を押して,隠しファイルを表示しておいてください。
以下のフォルダ内の各種ファイルを削除します。
- /usr/local/R
- /usr/local/lib/R
- /usr/local/lib/R-framework
- /usr/local/bin/R
- /usr/local/bin/Rscript
- /usr/bin/R
- /usr/bin/Rscript
- /Library/Frameworks/R.framework
その他,ホームディレクトリ内の「.R」「.RData」「.Rapp.history」「.Rhistory「.Rprofile」ファイルを削除してください。
あるいは,ターミナルから以下のコマンドでこの作業を実行できますが,不可逆的な処理となるので,バックアップを取った上で自己責任で実行してください。
> sudo rm -rf /usr/local/R /usr/local/lib/R /usr/local/lib/R-framework /usr/local/bin/R /usr/local/bin/Rscript /usr/bin/R /usr/bin/Rscript> sudo rm -rf /Library/Frameworks/R.framework> rm -rf ~/.R ~/.RData ~/.Rapp.history ~/.Rhistory ~/.Rprofile
2) 関連コマンド
# パッケージのダウンロード時にエラーになる場合のミラーサーバー選択用のコマンドchooseCRANmirror(graphics = FALSE)# EZRインストール用install.packages("RcmdrPlugin.EZR", dependencies=TRUE)
3) 表示されるメッセージ
lattice theme set by effectsTheme()
See ?effectsTheme for details.
【参考リンク】
- EZR(Easy R)に関するよくあるご質問 (FAQ) / EZR本家
- 統計ソフトのRを使用すると読み込み後に落ちる。/ Appleコミュニティ
- 統計解析ソフトRでRコマンダーを使用するためにXQuartzをインストールしたのですが、XQuartzが起動するとRが落ちてしまいます。/ Appleコミュニティ
- MacでのRの正しいアンインストールの方法は? / 個人ブログ
【統計ソフトヘルプデスク】
HP:https://www.mnc.toho-u.ac.jp/mc/mnc_stat.php
メール:mnc_stat☆ml.toho-u.jp
※「☆」記号を「@」に置き換えて下さい。
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